日本語

① 酒はたっぷり注がないと不平を言われるよ。
② 行き慣れないと道に迷うよ。
③ 空気を読まないと嫌われます。
④ 無愛想にしなければ美人ですけど。
⑤ 結婚しないと一人前じゃない。

うちなあぐち

① 酒(さき)えじぱっとぅ注(ち)がんあれえ(あいねえ)、じいぐいさりんどお。
② 行(い)ちい慣(な)りらんあれえ(あいねえ)、道(みち)ざあまなゆしが。
③ ざあん無(ね)えらんあれえ(あいねえ)、はごうささりやびいん。
④ かまじし喰(く)うらんあれえ(あいねえ)、清(ちゅ)ら影(かあぎ)やみせえしが。
⑤ 妻(とぅじ)んとぅめえらんあれえ(あいねえ)、一人前(、いちにんめえ、ちゅなみ人並)あらん。


【解説】
 前44講および第45講と同じ意味の文型です。
 「あれえ」の「れえ」は、第19講で紹介した条件や仮定を表わす「れえ」と同じものです。「あ」は「あん(有る)」の連用形でもあり条件形でもあります(ちなみに条件形は「あり、あ」)。例文の( )内は、同じく「あん」の連用形の別形「あい」に仮定を表わす「ねえ」を付けた文で、意味は「あれえ」と全く同じです。しかし、「あん」の条件形「あ」に仮定を表わす「れえ」が付いたものとも考えられます。

例文① 「じいぐい(不平)」に関連語に「じいぐいひゃあぐい(不平たらたら)」、「じいぐやあ」、「じいぐいむん」(いずれも、不平を言う者)」等があります。
例文② 「道ざあまなゆん(道に迷う)」は慣用句として覚えましょう。
例文④ 無愛想な人の事を「かまじさあ」と言います。
 次の別形は、この文に強調助詞「どぅ+ん」を使う場合と、さらにそれが約まった形です。(「どぅ」が強調助詞で、「ん」は日本語の「も」に対応する係助詞です。)「どぅ」は前の語を強調する助詞ですが、この場合は強調というより語調を整えたり(間を取る)する意味合いの方が強いかもしれません。
例文と同じ意味の別形は、例文順に、注がんどぅんあれえ(注がんだらあ)、慣りらんどぅんあれえ(慣りらんだらあ)、無えらんどぅんあれえ(無えらんだらあ)、喰うらんどぅんあれえ(喰うらんだらあ)、とぅめえらんどぅんあれえ(とぅめえらんだらあ)。
  

【応用問題】
 次の沖縄語文を「だらあ」を使う文に直しなさい。
① 戸開(はしるあ)きらんあれえ、息(いち)切(じ)りゆんどお。
② 地(じい)や、とおみらんあれえ、家(やあ)や、建(た)てぃららん。
③ 気(ち)がきらんあれえ、試験(しきん・)ぬんかい、掛(か)かやびらんどお。
④ 早(ふぇえ)く、温(ぬく)たまらんあれえ、冷(ふぃず)ずるかんじゃあ回(まあ)ゆしが。
⑤ 良(ゆ)う、噛(か)なあち、食(か)まんあれえ、肥(くぇ)えゆんどお。
答え:
① 戸開きらんだらあ、息切りゆんどお。
② 地や、とおみらんだらあ、家や建てぃららん。
③ 気がきらんだらあ、試験ぬんかい掛かやびらんどお。
④ 早く温たまらんだらあ、冷ずるかんじゃあ回ゆしが。
⑤ 良う、噛なあち、食まんだらあ、肥えゆんどお。

日本語訳:
①戸を開けないと、息苦しいよお。
②地面は均さないと、家は建てられない。
③精を出さないと、試験は受かりませんよ。
④早く温まらないと、悪寒に見舞われるけど。
⑤良く噛んで食べないと、太るぞ。