日本語

① それだけの大きさがあれば、大丈夫ですよ。
② そのすべすべしたものを、ここに、よこせ。
③ 腹の足しに、食べるものは、無いか。
④ バス停までは、すぐそこなのだから、歩いて行ったほうが良い。
⑤ あれほど遠い今帰仁から、いらっしゃったのかね。
⑥ 今日の喜ばしさは、何にも例えようがない。

うちなあぐち

① うぬまぎさぬあれえ、支(ちけ)え無(ね)えやびらんさ。
② うぬなんどぅるう、くまんかい、なせえ。
やあさ直(のお)しとぅしち、食(か)むしえ、無(ね)えらに。
④ バス停迄(てぃいまで)え、うが近(ちちゃ)どぅやるむぬ、歩(あ)っちどぅ行(い)ちゅる。
⑤ あが遠(とぅ)う今帰仁(なちじん)からどぅ、参(もう)ちゃんなあ。
⑥ 今日(ちゅう)ぬ誇(ふく)らさあ、何(ぬう)にん例(たとぅ)ららん。

  
【解説】
 形容詞の名詞の種類は次の四通りがあります。
1.基本形を名詞として用いるもの(基本形名詞)。例:まぎさ、ぐなさ、高さ、辛さ、寒さ、暑さ、誇らさ等。
2.語幹語尾を長音化したもの(語幹長音名詞): 例:大(ま)ぎい、安(やし)い、高(たか)あ、黒(くる)う、古(ふる)う、悪(や)なあ等。主に特定のものを形容する場合に用います。意味的に具象(あるいは特定できる対象)を形容する機能のあるク活用のみがその対象になります。存在動詞「やん」を付けて「―である」を表わす場合の形容名詞は基本的には語幹長音名詞が用いられます。
3.基本形に名詞を作る「し」を付けたもの: 例:大ぎさし、安っさし、高さし、黒さし、古さし、悪なさし等。主には、未特定のものを形容する場合に用います。この「し」は、動詞、存在動詞及び助動詞等の基本形に付けて名詞にする場合も同じです。ク活用およびシク活用共に成立します。
4.基本形名詞と指示代名詞等と組み合わせてつくる名詞例:あが遠う(あれほど遠く)、をぅが近(これほど近く)、うぬ長、あぬ丈(あん丈、あれほどの丈)等。これらは連体修飾語のように用いられていますが、慣用句化(複合語化)されていて、単独で用いて名詞として扱う事もできます。ク活用に見られます。

【ちゅらん考】日本語の「清い」に関係する語です。一頃、当て字は「清らさん」とすべきという議論がありましたが、起源は「清」であっても、日本語においては、漢字の用い方として、訓読みが基本的には「意味読み」である事を考慮すれば、「美らさん」でも構わない筈です。祈り言葉の中に、「ちゅら拝み」、「御守いぢゅらく」、「ちゅら御通い」、「ちゅら荼毘(盛大な葬式)」等があります。

  
【応用問題】
 文脈から( )内に適切と思われる語を右の《 》内の語から選んで入れなさい。
① 雲(あぬくむ)お、でえじな、( )やるむんなあ。《白(しる)さ、白(しる)う、白(しる)さし》
② なあふぃん、( )や、無(ね)えらに。《なが長さし、なが長あ、なげ長えさ》
③ 何(ぬう)が、くりえ、あんし、( )やる。《悪(や)なあ、悪(や)なさし、悪(や)なさ》
④ くぬ座(ざあ)ぬ( )あ、如何(ちゃ)ぬあたい、あいびいが。《ふぃる広さ、ふぃる広う、ふぃる広さし》
⑤ 暑(あち)さ、( )ん彼岸(ふぃがん)までぃ。《ふぃい寒さ、ふぃい寒さし、かまらさ》
答え:
① しる白う
② なが長さし、長あ
③ や悪なあ
④ ふぃる広さ
⑤ ふぃい寒さ

日本語意訳:
①あの雲は大変白いじゃないか。
②もっと、長いのはないか。
③どうして、これはそんなにも悪いものなのか。
④この部屋の広さはどれぐらいありますか。
⑤暑さ寒さも彼岸まで。