日本語

① 雨がやむ迄はここで、待っておく。
② 子豚が乳離れする迄、買うのは延ばしておいてくれ。
③ 日が暮れるまでは起きていてください。
④ 重いものは天井に下げておかないで。
⑤ この時計はどこに置おいておくかな。
⑥ 友だちが来る迄は休んでおくか。
⑦ 着物は畳んでおいておくものなんだよね。

うちなあぐち

① 雨(あみ)ぬ晴(は)りゆる迄(まで)え、くまんじ待(ま)っちょうちゅん
② 豚小(うわあぐぁあ)ぬあかりいる迄(までぃ)、買(こ)うゆしえ、延(ぬ)ばちょうけえ。
③ 夜(ゆう)ぬゆっくぃゆる迄(まで)え、起(う)きとうちゃびれえ。
④ 重物(んぶむぬ)お、天井(てぃんじょう)んかいや、下(さ)ぎとうかんけえ。
⑤ くぬ時計(とぅちい)や、まあんかい、置(う)ちょうちゅが。
⑥ 友小(どぅしぐぁあ)ぬ来(ち)ゅうる迄(まで)え、憩(ゆく)とうちゅみ。
⑦ 着物(ちん)の畳(たく)でぃるうちょうちゅるむんやんどおやあ。

 
【解説】
 「―し+うちゅん」(動詞等の接続態+補助動詞「うちゅん(置ちゅん)の二語からなる「―しておく」を表わす用法は継続文(関連第71~72講)で説明した通りですが、本講では補助動詞という観点からその用法を見ていきます。
 二語があたかも一体化して機能している場合においては、その否定文及び接続態は補助動詞部分「うちゅん(置ちゅん)」の活用に準じます。
 なお、継続文をつくる動詞と補助動詞「うちゅん(置く)」が一体化せず、「うちゅん」が通常の接続態から接続する形となる場合の否定文は日本語の場合と同じように、主動詞の側で行なわれます。例:例文④の変形「下ぎらん、うちゅん(下げないで、おく)」。「下ぎとおかん(下げておかない)」と「下ぎらんうちゅん(下げないでく)」とでは訳文の通り意味が異なります。

例文① 「雨ぬ晴りゆる迄」は「意味的に変」でも慣用的言い回しです。「雨が止むん」とは言いません。
例文② 「あかりゆん」は、ここでは、「乳離れする」という意味です。親豚にも子豚にも言います。男女の離縁についても言う場合(地域)があります。
例文③ 「ゆっくぃゆん」だけでも「夜が更ける」ですが「夜ぬゆっくぃゆん」は慣用的言い回しです。

  
【応用問題】
 次の文の太字部分を補助動詞を使い継続文に直しなさい。
① 一時小、菓子食でぃ、やあさ直しそおいびいん。
② 頭痛んすくとぅ、憩ら。
③ あちらん、湯や泡吹かんくとぅ、なあコーヒーや飲まん。
 
④ 花木え、水掛きらんでえ、けえ枯りゆんどお。

⑤ 家ぬ上ん壁ん、ペンキ塗いねえ、長持ちすさ。
答え:
① 一時小(いっとぅちゃぐぁあ)、菓子食(くぁあしか)でぃ、やあさ直(のお)しそうちゃびいん
② 頭痛(ちぶるや)んすくとぅ、憩(ゆく)とうか
③ あちらん、湯(ゆう)や、泡吹(あぶ)かんくとぅ、なあ、コーヒーや、飲(ぬ)まんちゅん。(飲まんうちゅん)
④ 花木(はなぎ)え、水掛(みじか)きとおかんでえ、けえ枯(か)りゆんどお。(掛きとうかんあれえ
⑤ 家(やあ)ぬ上(ゐ)ん壁(かび)ん、ペンキ塗(ぬ)とうちいねえ、長持(ながむ)ちすさ。

日本語意訳:
①少しの間、お菓子を食べて一時しのぎしておきます。
②頭が痛いので休んでおこう。
③なかなか、湯が沸騰しないから、もうコーヒーは飲まないでおく。
④花木は水をかけておかないと枯れてしまうよ。
⑤屋根も壁もペンキを塗っておけば長持ちするよ。