日本語

① お菓子ならお店にたくさんある。
② どうして、ここはバラが咲き誇っているのか。
③ 道端には這う蔓草から縋る蔓草まで多んだって?。
④ 御馳走なら、たくさんありますよ。
⑤ 砂糖はどれぐらい多ければよいのか。
⑥ 彼らの仲間は不平不満が多い。
⑦ 塩は、あまり、たくさん(そんなには)は入れないで。
⑧ 魚なら、海にいくらでも(たくさん)いる。
⑨ これだけ(それほど)多くの藁をどこから持ってく来るのか。

うちなあぐち

① 菓子(くぁあし)やれえ、店(まちや)んかい、まんでぃぐぁさぐぁさ。
② 何(ぬう)があんし、くまあ長春(ちょうしゅん)ぬ咲(さ)ちまんどおる
③ 道端(みちばた)あ、這(ほ)うやあ草(ぐさ)から縋(しが)やあ草ぬまんどおてぃから?。
④ くぁっちいやれえ、ちゃっさきいあいびいんどお。
⑤ 砂糖(さあたあ)や、ちゃっさきいやれえ、済(し)むが。
⑥ あっ達(たあ)しんかあ、くぬうまぬう(くいはい)ぬ多(うふ)さん
⑦ 塩(まあす)お、どぅく、ちゃっさんや、入(い)りんなけえ。
⑧ 魚(いゆ、ゆう)やれえ、海(うみ)んかい、ちゃっさん、あん。
くさきい(うさきい)ぬ藁(わら)あ、まあから持(む)ち来(ち)ゅうが。

【解説】
 数量が多い事を表わす語として、「まんどおん」(動詞)、「多さん」(形容詞)、「ちゃっさきい」(副詞・名詞)等があります。他講の例文では断片的に使用しましたが、本講ではそれらの語の用例等を比較してみます。

◆まんどおん:「多くある」という意味。否定は「まんでえね無えん」、「まんでえ居(をぅ)らん」となります。『沖縄語辞典』に「持続態のみを用いる」とあるほど珍しい動詞です。但し「まんでぃ」(接続態、文例①)、「まんどおる(連体形、文例②)」があります。文例③の「まんどおてぃ」は接続態ではなく、その「てぃ」は接続助詞の可能性があります。
◆うふ多さん:「多い」という意味の形容詞です。使い方は「まんどおん」と重なる部分もあります。
◆ちゃっさきい:「多く」という意味の名詞で副詞にもなります。例:「ちゃっさきい、持っちょおん(たくさん、持っている)」。「ちゃっさ(どれぐらい、どれほど)」という語と関係があります。
◆ちゃっさん:「いくらでも、かぎりなく」という意味の副詞です。
◆くさきい、うさきい:前者は「これほど多く、こんなにたくさん」、後者は「それほどたくさん、「それほどたくさん」等の意味の名詞で、何れも「なあ」を付けて副詞としますが、付けなくても副詞的も用いる事ができます。
 
【応用問題】
 次の文を(まんどおん、まんでぃぐぁさぐぁさ、ちゃっさきい、ちゃっさん、ちゃっさきいなあ)から適切な語を選んで言い換えなさい。
① 図書館(とぅしゅかん)ぬんかいや書物(しゅむち)ぬ多(うふ)くあん。
② 芋(んむ)やれえちゃっさやてぃんあん。
③ 腸(わた)ぬ満(み)い食(か)みいねえ、腸(わた)破(やん)じゅんどお。
④ 薬(くすい)や、多(うふ)くお、飲(ぬ)まんしえまし。
⑤ うさきいなあ生(み)いとおる草(くさ)あ、けえ刈(か)らな。
答え:
① 図書館ぬんかいや書物ぬまんどおん
② 芋やれえ、まんでぃぐぁさぐぁさ
ちゃっさきい、食みいねえ、腸破じゅんどお。
④ 薬や、ちゃっさん、飲まんしえまし。
ちゃっさきいなあ生いとおる草あ、けえ刈らな。

日本語意訳:
①図書館には本がたくさんある。
②芋ならあふれるほどある。
③腹いっぱい食べたらお腹を壊すよ。
④薬は多くは飲まない方がよい。
⑤たくさん生えている草は刈り取ってしまおう。