うちなあぐち

① ちゅうちゃん、子(くぁ)ぬ居(をぅ)らんなてぃ、母(あんまあ)や肝(ちむ)ちい返(けえ)らちょおん
② 世話事(しわぐとぅ)ぬあくとぅる、肝ん取合(とぅやあ)あさんでぃそおる
  やしが、むさっとぅ、肝ん取合あさらびらん
③ 先(さち)ぬ事考(くとぅかんげ)えねえ考えゆるしゃく、肝迷(ちむまゆ)いすん
④ あんすかなあんでぃん、肝ん無(ね)えんしい様(よう)しいねえ、にさぶらえりゆんどお。
⑤ 彼(あり・)え肝小(ちむぐう)さぬ、口(くち)ふぃんけえん、しいゆうさん。
⑥ 汝(いゃあ)が悪(や)な事(くとぅ)すくとぅ、さっこう、肝障(ちむざわ)いそおさ
⑦ 皆(んな)し肝揃(ちむずり)いし、しいねえ、何(ぬう)やてぃんなゆさ。

日本語

① 突然、子が亡くなり、母親は気が動転している
② 心配事があるからこそ心を整理しているのです
 だけど、全く考えがまとまらず途方にくれています
③ 今後の事を考えれば考えるほど心が迷う
④ それほどまでに、心無い(冷淡な)やり方をすると、嫌がられるぞ。
⑤ 彼は小心者なので、口答えもできない。
⑥ 君が悪い事をするから、とても気に障っているよ
⑦ 皆で心を合わて(協力して)やれば、何でもできる。

【解説】
 本講の「肝語」は文字を見れば、意味はある程度、想像がつくと思います。

例文① 「肝ちい返らすん」は文字通り、「肝(心)がひっくり返る」の意味です。「パニックに陥る」、「狂ったように冷静さを失う」場合等を表現します。「ちい」は「―してしまう」の意味を表わす副詞で、「いしゆん(据える、据え置く)」、「はちゅん(首に掛ける)」等の動詞に対して用います。多くの動詞に対しては「けえ」が付きます。例:「けえ倒りゆん(倒れてしまう)」、「けえ笑ゆん」等。「喰ゆん」、「食むん」、「飲むん」等の動詞には「うちゅ」が付きます。例文② 「世話」は「心配」の意味に転じていますで、「心配」を当てる場合も多いです。

例文③ 「あんすかなあんでぃん」は「あんすか(あんしゅか)」、「なあ」、「ん」、「でぃん」から成ります。文章にするとくどいですが、会話では普通の言い方。文章語では「あんし」、「あんすか」等と簡潔にしてもよいでしょう。

例文⑤ 例文の日本語を逆訳すると、「彼え肝(ちむ)小者(ぐうむん)やくとぅ、―」となります。

例文⑥ 主には悪い意味で使う「さっこう(とても)」を単独で「さっこうやっさあ」と使う場合は、「ひどいな」、「あんまりだな」等の意味になります。

例文⑦ 最近は日本語の影響で「心合(くくるあ)わちょおてぃ」という言い方も耳にします。

【応用問題】次の文中の語語句を右の例文の「肝語」を参考に言い換えなさい。
① あったな事(くとぅ)なてぃ、けえどぅまんぎぃとおん
② あっ達話聞(たあはなしち)ちちねえ、癪(しゃく)さわゆっさあ
③ 何(ぬう)が、し、済むらあ、考えぬ纏まらん
④ あんし、人(ちゅ)うせえ物言(むに)いやさんてぃん済(し)みええさに。
心打(くくるう)ち合(ゃ)あち、作(ちゅく)てぃんだな。

答え:
① 肝ちい返えらちょおん。
② 肝障しすっさあ。
③ 肝ん取合あさらん。
④ 肝無えん物言い。
⑤ 肝揃いし。

日本語意訳:
①急な事で、気が動転している。
②彼らの話を聞けば癪にさわる。
③何をしていいのか、考えを纏める事が事ができない。
④そんなに、人を馬鹿にした言い方はしなくてよいだろうに。
④協力して作ってみようよ。