うちなあぐち

① 彼(あ)っ達(たあ)しい様(よう)や、どぅくだら、目(みい)に越(くぃ)いとおん
② 汝(いゃあ)や、人(ちゅ)ぬ事(くと)お済(し)むくとぅ、目(みい)ぬ蝿追(ふぇえう)うり
③ 夏(なち)ぬ太陽(てぃいだ)あ目光(みいふぃちゃ)らさくとぅ、黒眼鏡掛(くるがんちょうか)きゆし(せ)えまし。
④ 異風(いふう)な夢(いみ)見(ん)ち、目(みい)ぬ、けえ強張(くふぁ)(固(くふぁ))とおん
⑤ 走船(はやふに)ぬ慣(な)れや一目(ちゅみ)どぅ見(み)ゆる(花風節より)
⑥ あぬ御主前(うすめえ)や目(みい)ぐるぐるそおしが、落(う)てぃ返(けえ)てぃが居ら。
⑦ 節変(しちが)わいねえ、目(みい)しち鼻(はなはな)しちんかいなゆる事(くとぅ)んあん。
⑧ 業(わざ)し後(あと)お目笑(みいわれ)えどぅする、目煩(みいわざ)ん口煩(くちわざ)んやさんどお。

日本語

① 彼らのやり方はあまりにも、目に余っている
② 君は、人の事をとやかく言わずに、自分の事をせよ
③ 夏の太陽は眩しいので、サングラスを掛けた方がよい。
④ 変な夢を見て、目が覚めてしまっている
⑤ 足が早いのが船の習慣なので(船は)一寸しか見れない
⑥ あの爺さんは目ぱっちりだが、子供返りしたのだろうか。
⑦ 季節の変わり目には病気に成る事もある。
⑧ 仕事後は微笑するべきで、しかめっ面するものではない。
 
【解説】
発音・文法もそうですが、慣用句をみても、日本祖語からの分岐以降の琉日両語の長い断絶を感じさせます。

①「目に越いゆん」は「目に余る」の意味です。
②「目ぬ蝿追うり」は「(他人の事より)自分の事を優先的にせよ」という意味です。
③「目光らさん」は「眩しい」の意味です。「目光ゆん(睨む)」は後講で紹介。
④例文は副詞「けえ」を使った為に「目ぬ」等と助詞「ぬ」を使う羽目になりました。通常は「目固(くふぁ)ゆん」又は「目強張(くふぁ)ゆん」です。意味は「目が覚める」又は「目が冴えて眠れない」です。同類語句に「目固あ」、「目固い」、「目固さん」、「目固やあ」、「目固々」等がありますが別講で紹介します。ここでの「固」は「強張」と当てる事ができます?。
⑤「一目」は「一瞬見る事」。「一見」と解釈する場合はこの講から外れますが、筆者は「一目」と解釈しています。
⑥「目ぐるぐる」はここでは「目がぱっちりしている様」。「目をきょろきょろさせている事」の意味もあります。「目ぐるぐるう」は「目をきょろきょろさせている者」。「目ぐる回い」は「目をきょろきょろ見回す事」(後講で紹介)。
⑦「鼻しち」は「鼻風邪」。「目しち」は語呂合わせで付け足した語ですが、「目しち鼻しち」で「病気」の意味。
⑧「目わざん口わざん」は「目をすぼめ口を歪める事」即ち「顰め面」「煩むん」は「顔に皺を寄せてしかめっ面になる」、「顔を顰める」の意味。「煩」は筆者の当て字なので要注意です。
 
【応用問題】
例文等を参考に、次の文中の太字部分に意味に近い語句を左の( )内から選びなさい。
(目わざん口わざん、目に越いゆる、目ぐるぐる、目光らさぬ、目ぬ蝿追うらな)

① いちむししんだんでえやあいゆかんぬ悪(や)な事(ぐとぅ)やくとぅ、し(せ)えならん。
② 何(ぬう)、かめえゆんち、汝(やあ)や、あんし、あま見(み)いくま見(み)いそおが。
③ 何(ぬう)が汝(やあ)や、自(どぅう)ぬ事(くと)おさな、人(ちゅ)ぬ事(くとぅ)ありくり、くじい物言(むに)いする。
かまじし食(く)ういねえ、却(けえ)てえ、まくぬ突(ち)ち合(ゃ)あさりいどお。
⑤ 車(くるま)ぬ高光(たかびちゃ)い電球(でぃんちゅう)や、くぁらないし光(ふぃちゃ)てぃ、ぞおい見(ん)だりらん。
答え:
① 目に越いゆる。
② 目ぐるぐる。
③ 目ぬ蝿追うらな。
④ 目わざん口わざんしいねえ。
⑤ 目光らさぬ。

日本語意訳
①動物虐待等というのは目に余る悪事であり、してはならない。
②何を探すつもりで、そんなに、キョロキョロしているのか。
③どうして君は自分の事はしないで、人の事を批判するのだ。
④しかめっ面をすれば、却って、眉を顰められるぞ。
⑤自動車のハイライトは眩しくて、とても見る事ができない。