うちなあぐち

① 彼(あり)え、自(どぅう)考(かんげ)えぬ強(ちゅう)さぬ、却(けえ)てえ、自明(どぅうあ)かがいする筈(はじ)やさ。
自崇(どぅうあが)みいとぅ自敬(どぅううや)えや、いいくる同(い)ぬ意味(ちむええ)どぅやる。
③ 彼(あり)が話(はなしい)聞(ち)ちいねえ自(どぅう)ぬ上(ゐい)ぬ事(くとぅ)ねえし、自当(どぅうあ)たいすん。
自前(どぅうめえ)や自(どぅう)し、しわんでぃち、自(どぅう)転(くる)びしみらっとおん
⑤ 今(なま)、自(どぅう)勝手(がってぃ)しいねえ、後々(あとぅあとぅ)、自腹(どぅうはら)痛(や)ますんどお。
自守(どぅうむ)いそおる童(わらび)ぬ、自一人物(どぅうちゅいむに)言(い)いし遊(あし)どおん。
自一人者(どぅうちゅいむん)自一分(どぅういちぶん)ぬ暮(く)らし(せ)え見(ん)ちん、心(うら)ちらさぎさん。
自(どぅう)縋(しが)りするっ人(ちゅ)お、いいくる自煩(どぅうわちゃ)れえそおん。

日本語

① 彼は独断し過ぎるから、逆に自己曝露するかもしれない。
自惚れ自尊は、だいたい同じ意味である。
③ 彼の話を聞くと我が事のように、心に突き刺さる。
自分の事は自分でやれと、一人でほったらかされている
⑤ 今、自分勝手にすると。後で臍を噛むぞ。
子守役の無い子供が、独り言して遊んでいる。
独身者一人暮らしは、見ても、心寂しそうである。
自分頼みする人は、大抵、自分の手を煩わしている。

【解説】
自分や(自分の)身体を表わす「どぅう」は、「胴」が当てられるが一般的(普通)ですが、本書の場合は、基本的には、(精神的)「自分」を表わす場合は「自」を、身体を表わす場合は「胴」を当てていますので要注意です。但し、「自」「胴」の何れとも判別し難い場合は、何れでも良しとしています。

例文①「自考え」は「独断」、「自分の考え」。「自明かがい」は「自分のした事を自ら曝露する事」の意味です。
例文②「自崇み」は「自惚れ」。「自敬え」は「自尊」又「自分を偉いかのように思う事」です。
例文③「自ぬ上」は「(自分の)身の上」。「自当たい」は「(自分の)心に強く当たる事」。「内当たい」に似ます。
例文④「自前」は「自分がすべき事」。「自転び」は「自ら転ぶ事」の他に「ひとり放置される事」の意味にもなります。
例文⑤「自勝手」は文字通り「自分勝手」。「自腹痛ますん」は「悔しい思いをして苦しむ」の意味です。
例文⑥「自守い」は「(子供が)一人遊びする事」。「自一人物言い」は「独り言」。
例文⑦「自一人者」は「独身、一人身」。「自一分ぬ暮らし」は「一人だけの暮らし」。
例文⑧「自縋り」は「自己依存、全て自分が判断して行動する事」。「自煩え」は「面倒な事でも自分でやり通す事」。

【応用問題】
例文・解説文を参考に次文の太字部分に意味に近い語句を左の( )内から選びなさい。
(自当たい、自崇み、自腹痛まちならん、自一分ぬ暮らし、自縋りし)

自(どぅう)一人(ちゅい)暮(ぐ)らし(せ)え、何(ぬう)んうけえ思(うみ)いさんてぃん済(し)むん。
② あぬっ人(ちゅ)お、自(どぅう)びけえ、頼(たる)がきてぃ、人(ちゅ)お頼(たる)がきらん。
③ 人(ちゅ)てぃらむぬお、自(どぅう)敬(うやめ)えする肝(ちむ)ぬありわる、前(めえ)あがちんないる。
④ あぬばす、試験(しきん)受(う)きとおれえんでぃ、腸苦(わたぐり)さぬならん
⑤ 煙草(たばく)吹(ふ)ち、病(やんめえ)なたんでぃぬ話(ばなしい)や、我(わ)ぬんかいん内当(うちあ)たいさん
答え:
① 自一分ぬ暮らし。
② 自縋りし。
③ 自崇み。
④ 自腹痛まちならん。
⑤ 自当たい。

日本語訳
①一人暮らしは何の気兼ねもいらない。
②あの人は、自分だけを頼りにして人に頼らない。
③人たるものは、自尊心があればこそ、前進できる。
④あの時、試験を受けておけば良かったのにと、後悔して悩んでいる。
⑤タバコを吸って、病気になるという話しは、本当に、心に突き刺さる。*「我ぬんかいん」=「我にんかいん」。