うちなあぐち

① くぬ色(いる)ぬ衣(ちん)(注)色脱(いるぬ)ぎとおくとぅ、色直(いるのお)しさな。
② 着物(ちん)ぬ色取(いるどぅ)(彩)いや、色取合(いるとぅや)あしし、決(ち)わまゆん。
③ 他所(ゆす)ん人(ちゅ)、色(いる)、見(み)い分(わ)かし強(づう)されえ、むてえ栄(さけ)えさん。
④ どぅく、魂脱(たましぬ)ぎいねえ、色(いる)しゅもおしゅん脱(ぬ)ぎゆん
色香(いるか)んありわる、実(じゅん)にぬ芙蓉(ふゆう)ぬ色(いる)んでぃ言(い)らりいる。
⑥ 若者(わかむ)のお、色見(いるみ)い易(や)っさしが、年寄(とぅす)いや、色見(いるみ)いらん
⑦ 今(なま)いや、諸治(むるのお)いし、色(いる)きさん、ましなとおさ。
⑧ あんまあや、長(なげ)えさ柔(やふぁ)らち、色青(いりおお)じゃあなとおん。

日本語

① このカラーの服色褪めしているから染め直ししよう。
② 着物の彩りは、配色で決まる。
③ 余所者を差別し過ぎると、繁栄しない。
④ あまり、魂消ると、顔色も失う
色香もあってこそ、本当の美人(の顔)と言われる。
⑥ 若者は喜怒哀楽が顔に出易いが、年寄りは表情に出ない
⑦ 今度こそ、全快し、血色も良くなっているよ。
⑧ 母は長い間、病床に就いて、顔色が真白くなっている。

【解説】
文例①「色ぬ衣(ちん)」(注)又は「色ぬ着物(ちん)」は、元々は「着色した士族用の礼服」。「色脱ぎゆん」は「脱色する」、「顔色が悪くなる」の意味で、その名詞形は「色脱があ」です。
文例②「色取い」は「色取り(彩り)」。「色取合あし」は「色の取り合わせ」、「配色」の意味。
例文③「色、見い分かすん」は「人によって分け隔てを作り、差別する」の意味で、「色分かすん」とも言います。
文例④「色しゅもおしゅ」は、「ショック等で顔色を失う」の意味。「色そおもおそお」はその副詞。「色(いる)そおもおそお、倒りたん」で「顔面蒼白になって倒れた」。
文例⑤「芙蓉ぬ色」は「美人の代名詞」。
文例⑥「色みい易っさん」は「喜怒哀楽が顔に出やすい」、「目先の損得で態度を変えやすい」の意味。「色見いゆん」は「顔(表情)に出る」。「色見いらん」は「表情に表れない」。
文例⑦「色きさ」は「(顔の)血色」。前講の⑤、⑥、⑦の「色」の意味に同じです。
文例⑧「色青じゃあ(色青ざあ)」は、「(病気等で徐々に)顔色が悪くなること」。

【応用問題】
例文・解説文を参考に次文の太字部分に意味に近い語句を左の( )内から選びなさい。
(色見い分かする、色きさぬましなとおれえ、色見い易いやくとぅ、色青じゃあないねえ、色そおもおそお)

色(いる)ぬ出(ん)じとおれえ、なあ、強(ちゅう)てぃどぅ居(をぅ)る筈(はじ)やん。                
色無(いるね)えんないねえ、たんきらんでえならん。
③人(ちゅ)、色分(いるわ)かするっ人(ちゅ)お、却(けえ)てえ、自(どぅう)がる色分(いるわ)かさりいる
④あったに、地(ねえ)ぬ寄(ゆ)たれえ、色(いる)ん飛でぃ、逃(ふぃ)んぎたん。
色見(いるみ)い易(や)っさくとぅ、ゆくし物言(むに)いんならん。
答え
① 色きさぬましなとおれえ。
② 色青じゃあないねえ。
③ 色見い分かする、色見い分かさりいる。
④ 色そおもおそお。
⑤ 色見易いやくとぅ。

日本語意訳①血色が良くなっていれば、もう、回復したのだろう。②顔色が悪くなったら、用心しなければならない。③人を差別したら自らも差別される。④急に地震が起きたので、真っ青になって逃げた。⑤顔に出やすいから、嘘をつくこともできない。