うちなあぐち

① 今(なま)あ前(めえ)やか、煙草(たばく)吹(ふ)ちゅる人(ふ)お、なんぞお、居(をぅ)いびらん。
② 小満(しゅうまん)芒種(ぼうしゅ)ぬ節(しち)え家(やあ)ん中(なあか)あ、いいくる、麹(こうじ)ふちゅん
③ エイサー臣下(しんか)ぬ指(いいび)、吹(ふ)ちゅし(せ)ん、エイサーぬ一(てぃい)ちやん。
④ 芋(んむ)んかいん色々(いるいる)あしが、粉吹(くうふ)ちゃあぬどぅまあさる。
湯(ゆう)沸(ふ)かすし(せ)え、物(むぬ)すがやあぬするぬ仕口(しくち)とお別(びち)がやら。
⑥ 悪(や)な夢(いみ)見(ん)ち後(あとぅご)、息(いいち)ん吹(ふ)からん吹ちいすぬばあんあん。
⑦ どぅく鼻(はな)吹(ふ)ちい強(じゅう)されえ、病(やんめえ)がやらん分(わ)からん。
⑧ 実(みい)ぬ無(ね)えらん人(ちゅ)ぬどぅ、口吹(くちぶ)うちんする

日本語

① 今は以前より、煙草を吹(す)う人は、多くは居ません。
② 梅雨時期には、、家の中には大抵、黴が生える
③ エイサー演舞団が指笛を鳴らすことも演舞の一つだ。
④ 芋にも色々あるが、ほくほくしているのが美味しい。
⑤ お湯を沸かすのは炊事人の仕事とは別なのだろうか。
⑥ 悪い夢を見た後、息も絶え絶えになっている場合もある。
⑦ あまり鼾をかくのが、ひどければ病気かもしれない。
⑧ 中身がない人ほど、ほらを吹くのである

【解説】
例文①「煙草吹ちゅん」は「煙草を吸う、煙草を吹かす」、「吸った煙を外に吐き出す」の意味です。
例文②「麹吹ちゅん」は「黴が生える」。「麹」は「味噌麹」は「酒麹」にも言いますが、地方によっては「かあぶい(黴)」を用いることもあります。
例文③「指吹ちゅん」は「指笛を鳴らす」の意味で、地方によっては「竿吹(そおび)ちすん」とも言います。
例文④「粉吹ちゅん」は、主に「(煮芋が)ほくほくするする」の意味で使われます。「ほくほくしている煮芋」を「粉(くう)吹(ふ)ちゃあ芋」と言います。
例文⑤「湯沸ちゅん」は首里語系で「お湯が沸く」の意味。那覇等では「湯ぬ沸(わ)ちゅん」と言います。
例文⑥「息吹ちゅん」は「息をする」。第162講「息」に関する慣用句参照。
例文⑦「鼻吹ちゅん」は「鼾をかく」。第141講の「鼻」に関する慣用句参照。
例文⑧「口吹うち」は「大言壮語」、「ほら吹き(をすること)」の意味。似たような意味で「大物言(うふむに)い」があります。

【応用問題】
 例文や説明文を参考に次文中の()内に最も相応しい語句を左の()内から選びなさい。答えは下欄です。
(米、口、湯、指、麹、息、鼻、風、竿、粉、味噌)

① あんし、しからあさる所(とぅくる)んじ、( )吹ちゅし(せ)えあらんどう。
② 茶飲(ちゃぬ)みい欲(ぶ)しゃれえ、早(ふぇえ)く( )沸(ふ)かせえわ。
③ 彼(あり)え酒(さき)ん飲(ぬ)まんあい( )ん吹(ふ)かんあい、大事(でえじ)な性入(しょうい)っちょおん。
④ ( )吹(ぶ)ちゃあぬ言し(せ)え、なあ、誰(たあ)ん聞(ち)かんなとおん。
答え:
⑤ ( )植(うゐ)いゆらあ、粉吹(くうふ)ちゃあやまし(せ)えあらに。
① 指。
② 湯。
③ 煙草。
④ 口。
⑤ 芋。

日本語意訳
①こんなに寂しい所で口笛を鳴らすものではないよ。
②お茶を飲みたければ、早くお湯を沸かしなさい。
③彼は酒は飲まないし、煙草もすわないし、とてもしっかりしている。
④ほら吹きの言う事は、もう、誰も聞かない。
⑤芋を植えるならほくほく芋が良いのではないか。