うちなあぐち

① まるけえてぃ鋸取(ぬくじりとぅ)てぃん、受取(うきとぅ)らりいるむぬ(の)おあらん。
② 帆高船(ふうだかぶに)や島取(しまとぅ)らん、肝高女(ちむだかゐなぐ)や家(やあ)持(む)たん。(デンサー節)
③ 人(ちゅ)ぬ言(ゆ)し、徒(いちゃんだ)ん、横勘(ゆくがん)取(とぅ)ゆるむぬおあらんどう。
④ 夫婦(みいとぅんだ)ぬ仲取(なかとぅい)い傍取(はたとぅい)いや、しい様(よう)ぬあん。
⑤ 値(でえ)や売(う)やあとぅ買(こう)やあぬ言(い)い分(ぶん)ぬ中取(なかとぅ)たん
⑥ しい様(よう)にちいてぃ、早(ふぇえ)く取(とぅ)てぃ付(ち)きらんでえならん。
⑦ 精霊(しょうろう)や、たんかあどぅ取(とぅ)てぃどぅ、ちけえちょおる。
⑧ 今(なま)あ時取(とぅちとぅい)い日取(ふぃいどぅ)いする為(たみ)ねえユタ買(こう)いがあ行(い)かん。

日本語

① たまに鋸を扱っても、習得できるものではない。
② 大船は小島に寄らず、お高く留まる女は家庭を持たない。
③ 他人の言う事を、むやみに邪推するものではないよ。
④ 夫婦の仲を取り持つのはやりようがある。
⑤ 値段は売り手と買い手に言い分の間をとった
⑥ やり方について、早めに処方しないといけない。
⑦ (盆の)祖先への案内は遥拝して済ませている。
⑧ 現代は日取りや時を占うのにユタを買いには行かない。

【解説】
例文①「鋸取ゆん」は「鋸を扱う」。「蚤」、「鉋」等の大工道具の他、「包丁」等にも用います。「包丁(ほうちゃあ)取(どぅ)い」は「包丁捌き」の意味になります。
例文②「島取ゆん」は「(停泊する港として)島に投錨する」の意味です。教訓歌「デンサー節」より借用しました。歌詞は「どぅくどぅん肝(ちむ)持(む)ちいねえ、海(うみ)に転(くる)ぶる」(あまり、お高く留まると海に転落するよ)と続きます。
例文③「横勘取ゆん」は「誤解する」、「邪推する」等の意味です。
例文④「仲取い傍取い」は「仲を取り持つ」の意味。単に「仲取ゆん」とも言います。「仲」は「なあか」とも言います。「仲取ゆん」は「取い成すん」とも言います。
例文⑤「中取ゆん」は「間をとる」の意味です。「中」は「なあか」とも言います。
例文⑥「取てぃ付きゆん」は「処方する」、「手段・方法を講じる」の意味。但し、薬の調合は「配剤(ふぇえぜえ)」、「薬(くすい)盛(む)ゆん」と言います。
例文⑦「たんかあ取ゆん」は「遥拝する」。「向(ん)けえ取ゆん」、「御通しすん」とも言います。
例文⑧「時取ゆん」、「日取ゆん」はそれぞれ「(物事をする)時を占う」、「日を選ぶ」の意味です。

【応用問題】
 例文や説明文を参考に次文中の太字の語句に最も相応しい語句を次の()内から選びなさい。答えは下欄です。
(横勘取てえ、御通しし、取てぃ付きらんでえ、仲取ゆしん、包丁取い)

① いちゅなさくとぅ、今度(くんどぅ)ぬタナバタあ、向(ん)けえ取(とぅ)てぃ済(し)ますん。
② 聞(ち)ちばっぺえやれえ、済(し)むしが、うったてぃ取(とぅ)い違(ちが)てえならん。
③ とおないねえ、男(ゐきが)ぬる包丁使(ほうちゃあぢけ)えや上手(じょうじ)がやらん分(わ)からん。
④ 彼(あ)っ達(たあ)や兄弟(ちょうでえ)ぐふぁさぬ取(とぅ)い成(な)すしん、よねえあやらん。
⑤ 台風(てえふう)ぬ来(ち)ゅうるばあや、早々(ふぇえべえ)とぅ、支度(したく)さんでえならん。
答え:
① 御通しし。
② 横勘取てえ。
③ 包丁取い。
④ 仲取ゆしん。
⑤ 取てぃ付きらんでえ。

日本語意訳
①忙しいので、今年の七夕(墓の掃除および祖先への盆案内日)は遥拝で済ます。
②聞き間違いなら良いが、わざと誤解してはいけない。
③いざとなれば、男の方が包丁捌きは上手かもしれない。
④彼等は兄弟仲が悪いので仲裁する(取り持つ)のは容易ではない。
⑤台風がやってくる場合は、早めに対策を講じなければならない。